【マネジメント】松下幸之助から学ぶリーダー論

マネジメント

昨日、自身が作りたいチームと自身がなりたいリーダー像について記事を書きました。記事を書きながら自分の考えをまとめた上で、さらに今日、もう一冊本を読みました。

読んだ本は『松下幸之助直伝 社長の心得 最後の弟子が身近で学んだ成功する「経営者」のあるべき姿』江口克彦(2023)

「どんなリーダーになりたいか」という問いに対して、私は昨日の記事で書いたように、次の3つの素質を兼ね備えたリーダーになりたいと考える。この3つの観点は、松下幸之助も大切にしていることでもあると感じたので、今回の記事ではその点をまとめていく。

  1. 個々の強みと弱みをよく理解するリーダー
  2. 「目的(存在意義・ビジョン)」と「行動指針(ルール)」を明確化させるリーダー
  3. 君子豹変(間違いを認め軌道修正)できるリーダー

昨日書いた記事はこちらをご参考ください。

個々の強みと弱みをよく理解するリーダー

この本には次のような見出しの節がある。松下幸之助が説いたのは、多様性が大切であるということ、個々の能力を引き出すことが大切であるということ、また良いモノを作るためにはその前に良いヒトを育てることが大切であるということ。

  • 同じ人を集めるな、個性を押しつぶすな」(P.126)
  • 指導者は社員の天分を引き出せ」(P.154)
  • 物づくりより人づくり」(P.114)

また松下幸之助は次のような話をよくしながら、個々の強みを活かすことを説いたという。

昔ある武将に震え声の暗い家来がいた。その家来を周囲が嫌がって「何とかしてくれ」と武将に訴えた、すると武将は「あの家来には、あの家来にしかない、いいところがある。おまえたちはあの者の使い方を知らないのだ。わしに用があって出席できない葬儀があるとき、あの者にわしに代わって弔辞を読ませれば、お前たちも及ばないだろう」

部下の強みを誰よりも理解し、それが発揮できる場を見極める。まさに適材適所で個人の能力を最大限に活用することがリーダーに求められるということである。

「目的(存在意義・ビジョン)」と「行動指針(ルール)」を明確化させるリーダー

  • 基本理念を曲げるな、守れ、実行せよ」(P.38)
  • 串焼きの”串”を作れ」(P.50)
  • 経営理念を血肉にして社員に語るべし」(P.130)
  • 方針を示せない経営者は退くべき」(P.228)

多様な個性をまとめ上げるために、松下幸之助が大切にしたのが串焼きの”串”に相当する「経営理念」。「経営理念」が社員の血肉になっていれば不祥事など起きるはずがないというのが松下幸之助の考えで、そのために何度も何度も繰り返し自らが壇上に立ち、社員に「経営理念」を説いた。そのように社員に指針を示すことがリーダーとしての役割であるということ。

君子豹変(間違いを認め軌道修正)できるリーダー

  • 社員の提案、意見に耳を傾ける」(P.142)
  • 上司は部下に「ものを尋ねる」べし」(P.196)
  • 部下に尋ねて聞いて、経営に取り組む」(P.146)

世間では「松下幸之助はワンマン経営だ」という声もあったようだが、実際は部下によく尋ねたという。松下幸之助は、各人の持つ知識と能力を最大限に引き出し、調合するのがリーダーの役目だと考えていた。

「とにかく独断があかんな。どんなに優秀でも一人の知恵には限界がある。神様ではないからな、人間は。だから、できるだけ多くの人の知恵を借りること。そういうことをして、君、自分の考えを補ったり、あるいは、もっといい考えを作り上げる。それが大事や。そうたくさんの人の話を聞く。そうや、衆知を集めながら、仕事をしていくということをせんとな。そうすればきっとうまくいく。会社も発展するし、社員も成長する。何より君が成長するわけや」

また著者の江口さんは、そのように松下幸之助が部下によくものを尋ねる姿を見て、経営者が部下に尋ねることによる利点を次のように述べる。

部下にとっての利点
①自分の意見が聞いてもらえるということにより、やる気がでる。
②次に尋ねられたらもっといい答えを言おうと、努力する、成長する。

経営者にとっての利点
①情報を居ながらにして集めることができる。
②「尋ねる姿勢・聞く姿勢」のある上司は、結局、尊敬される。

上記は、まさにその通りだと思う。リーダーにとって傾聴力はかかせない要素の一つであると考える。

おわりに

結論、自分が考えていたリーダー像というものが、松下幸之助の考え方に通じる点があるということを感じることができたので、方向性としては間違っていないように思えました。

自身としては、次は「人を見る目」というのを養っていけるような勉強・経験が出来ればと思います。

それでは。

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