【マネジメント】最強のチームを作りたい~多様性の科学

おすすめ本

起業をするとき、どんなメンバーを集めるか?
あるいは会社の人事になったとして、どんな人を採用するか?

東大卒ばかり集めたガッチガチの高学歴集団が理想か?
体育会系ばかりあつめたゴッリゴリの超バイタリティ集団が理想か?

思い出すのはあのセリフ、、、

『アイシールド21』に出てくる天才アメフトプレーヤーの金剛阿含のセリフ
「俺が22人いりゃあ、それがドリームチームだ」

それに対する蛭魔妖一
「同じコマ22枚なんてチームほど、ぶっ○しやすいカモもねえわな」

そう、やっぱり大切なのはチームの多様性。

帰宅部パシリがランニングバック、元野球少年がレシーバー、不良3人組がライン、そんな素人集団がそれぞれのたった1つの自分の強みを最大限に活かすことで、強敵に打ち勝っていく、それが泥門デビルバッツ。

多様性があって、それぞれの個々の長所を最大限に活かせるチームを作るのが理想。

最近読んだ『多様性の科学』という本は、まさにチームにおける多様性の大切さを説いた本。

読み終えた読み終えた感想は

・世の中の社長、マネジメント層、人事の方の全員にぜひ読んでほしい。

・上司がこの本を読んでくれていたら嬉しい。もし上司がこの本を読んでいれば「僕のどんな些細でしょうもない意見も、一旦は受け入れてくれる」と安心できるし、積極的に意見を言いたくなる。

ということで、印象に残った話などを中心に書いていく。

多様性は大切というエピソード

①CIAが9.11テロを防げなかったのは、当時のCIAが白人エリート集団だったから。

もし中東出身の人や、現地の言語がわかる人がいれば事前にテロを防げる可能性は高まっていたはず(実際にテロの兆候は見過ごされていた)。同じようなバックグラウンドを持った、同じような高学歴の優秀な人を集めたところで、彼らの考え方のパターンは似ているので、物事に対する新しい目線や気づきが出にくい。多様なバックグラウンドをもった多様な視点から物事を見て意見を出し合うのが大切。

②戦時中、ナチスの暗号を解読したのは天才数学者ではなく、クロスワードが得意な一般人のおっちゃんだった。

名だたる天才数学者がどれだけ考えてもナチスの暗号を解読することはできなかった。そこで全国からクロスワードが得意な人を徴集。チームに多様性が生まれた結果、ナチスの暗号を解読することに成功した。

③たとえどれだけ天才であったとしても、社交的でなければイノベーションは生み出せない。

外部から完全に遮断されたタスマニアは近年までずっと原始社会だった。もしかしたらタスマニア社会にこれまで数学の大天才のポテンシャルを持った人が生まれていたかもしれないが、その社会に数学がなければ全くの無意味。どれだけ何かの才能を持ていたとしてもそれがイノベーションを生み出すためには、外部との関りが必要。

スティーブ・ジョブスはこれをわかっていたので、あえてオフィスのトイレを一か所だけにした。これによって社員が自然と同じ場所に集まり、自然に会話が発生する、すなわちイノベーションが生まれやすくなる。

多様性の注意点

①いくら多様性があるチームであっても、一緒に仕事をするうちに、どんどん考え方も似てきて、時間の経過とともに多様性は失われていく。

やはり定期的に新しい風やチーム編成が必要。新規雇用、中途採用、ジョブローテーション、こういうことが大切ということ。

支配的なリーダーは多様性を無意味にする

いくらチームメンバーに多様性があっても、リーダーがみんなの意見を聞かなかったり、受け入れなかったり、柔軟性がなければ、多様性の意味がなくなる。

ユナイテッド航空の墜落事故、エベレストの遭難事故などを例に挙げながら、支配的で自分の意見が強すぎるリーダーは、周りに意見を言ってもらえず、結果的に大事故につながる。意見の言い合えるフラットな関係性作りが大切で、チームの多様性の利点を最大限に活かすためには、やはりリーダーの力量が求められる。

③多様性があるチームであったとしても、同調圧力が多様性を無意味なものにする

いくらチームに多様性があっても、2人以上が同じ結論を出すと、周りもその意見に流されやすくなる。(日本人だとよりそうなりそう)

SNSは非多様性を生み出す

インターネットによって、世界中の人と自由につながることができるようになった。しかし、それが必ずしも多様性を生み出すわけではない。世界が広がれば広がるほど、自由になればなるほど、人々は「共通項」を見つけて、「同じ人」のグループを形成する。時にそのグループは視野が狭く、他のグループに対して攻撃的になる。SNSで多様性が生まれるというよりも、むしろその逆であることもある。

「平均」は多様性のあるチームの中でベストアンサーにならない

飛行機のコックピットのサイズを、パイロットの平均身長に合わせて作ったが、実際は平均身長ジャストフィットの人は存在せず、誰にもフィットしないコックピットとなり、飛行機事故が多発した。
よって条件にばらつきがある中で、必ずしも「平均」が正解になるわけではない。
結果的に、コックピットの椅子の高さを可動式のものに変更したことにより、柔軟に対応できた。

まとめ

天才が22人いてもそれはドリームチームではない。

多様性の大切さ、また多様性がうまく機能する状況をよく理解した上で、チームマネジメントを行うことが大切。

チームメンバーのそれぞれの長所を理解し、それを最大限に発揮する場を用意する。

そういったことが上司、マネージャーには求められる。

そういった立場の人にはぜひ読んでほしい。

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